自分はいわゆるアーティストと言われる類で、だからと言って有名でもありませんから、そこまでぜいたくな暮らしはできません。

勤め人よりも、適度に楽しめる程度です。

お付き合いしていた女性もいましたが、その女性は自立している人で、結婚相手にはそれなりの知名度を求めていました。

そのことに長い間気が付かずにいました。

不安定な生活が不安なのだろう。

もっと安心できれば、きっと結婚するだろうなと思っていたわけです。

付き合って10年目に、ある程度生活もできると自信が持てたのでプロポーズすると、「絶対に嫌だ」とのこと。

驚きました。

しかも「結婚と付き合いは別。

だから恋人としては別れたくないけど、結婚は絶対に嫌。

人が羨ましがるような人と結婚したい」といったのです。

ショックでした。

それでは自分は何なのだろう。

そんな気持ちになり、別れたくないと勝手なことを言う彼女と別れました。

そのショックも癒え、40代を目の前にして、穏やかな生活がしたいという思うが芽生えてきました。

職業柄、女性との出会いも少なく、結婚相談所に入会しました。

手痛く失恋した思い出があって、男性としての自信は全くありません。

受け入れてくれる女性がいればありがたい、そんな気持ちでした。

しかし案外そういう女性は多く、男性も女性も互いに選べる立場なんだということに気が付かせてくれたのも、この結婚相談所です。

そこで知り合った20代後半の女性と、結婚を決めました。

決して華やかな人ではありませんが、気遣いのできる、心が安定した女性です。

今、結婚して生活を重ねると、結婚とはこんなにいいものだったのかと、痛感しています。

妻のおなかの中には赤ちゃんがいますが、妻は「あなたのようにアーティスティックな子になるといいな」と言ってくれています。

それだけ私のことを認めてくれているのだと、そのこともうれしく思っています。

相手の思っている結婚の条件は、いくら長く付き合っても、見えてこないことがあります。

結婚相談所は初めからそれが明らかで、その点も心配がありません。

自信が持てたのでプロポーズすると、「絶対に嫌だ」